「家族の介護」を退職理由にさせない!中小企業こそ導入すべき助成金額最大75万円の離職防止策
- 西川 浩樹

- 12 分前
- 読了時間: 4分

こんにちは!社会保険労務士の西川です。
今の日本、どの企業にとっても他人事ではない問題があります。それが「ビジネスケアラー(働きながら介護をする従業員)」の急増です。
「親の介護のために、今の仕事を続けられない……」
そんな苦渋の決断を下す従業員が増えています。会社にとっては、長年貢献してくれたベテラン層を失うという、計り知れない損失となります。
今回は、そんな介護離職の危機をチャンスに変える、「両立支援等助成金(介護離職防止支援コース)」を徹底解説します。
1. なぜ今、この助成金が必要なのか?
日本の少子高齢化は加速しており、今や「40代〜50代の働き盛り」の多くが介護の課題を抱えています。しかし、多くの従業員は「会社に迷惑をかけたくない」と一人で抱え込み、ある日突然、離職を切り出します。
この助成金を活用することは、単に資金を得るだけでなく、「うちは介護をしながらでも働ける会社ですよ」という強力なメッセージを内外に発信することに繋がります。
2. 最大75万円!助成額の内訳をマスターする
この助成金の最大の特徴は、ステップを踏むごとに受給額が積み上がる「加算方式」である点です。1人あたり最大75万円を目指せる内訳を詳しく見ていきましょう。
① 【取得時】5日以上の連続休業で「40万円」
まずは基本となる部分です。介護が必要な家族がいる従業員が、5日以上の連続した介護休業を取得した場合に、40万円が支給されます。
「えっ、たった5日でいいの?」と思われるかもしれませんが、この「5日」が重要です。介護の初期段階で腰を据えて手続きや環境整備(ケアマネジャーとの打ち合わせ等)を行うことが、その後のスムーズな両立の鍵となるからです。
② 【職場復帰時】制度利用でさらに「25万円」
休業した従業員が職場に復帰し、さらに介護休暇や時短勤務などの両立支援制度を利用することで、追加で25万円が支給されます。
休ませるだけでなく、「戻ってきた後も柔軟に働ける環境」を整えることが評価される仕組みです。
③ 【環境整備】体制構築でさらに「10万円」の加算
さらに、介護に直面する前の段階で、全従業員へのアンケート実施や、介護情報の周知、相談窓口の設置など、「介護が取得しやすい環境整備」をしっかりと行うことで、10万円が加算されます。
【合計】 40万円 + 25万円 + 10万円 = 最大75万円!
3. 受給のための「3つの重要ポイント」
「うちはもう介護をしている人がいるから、すぐ申請できるかな?」
そう思われるかもしれませんが、助成金には守るべき手順があります。以下の3点は必ず押さえておきましょう。
プランの作成と面談
従業員が休業に入る前に、会社と従業員でしっかり面談を行い、今後の働き方を話し合う「介護休業・復帰プログラム(プラン)」を作成する必要があります。
就業規則の整備
そもそも社内の就業規則に、介護休業や介護休暇についての規定が正しく定められていることが前提です。「古いままの就業規則」では不採択になるリスクがあるため、社労士によるチェックを推奨します。
事前の実態把握
環境整備加算を狙うなら、全従業員への実態調査(アンケート等)が必須です。これを機に、潜在的な「隠れ介護」を抱える従業員を見つけることができます。
4. 経営者様・人事担当者様へ伝えたい「本質」
この助成金の本当の価値は、75万円という金額そのものではありません。
ベテラン社員の定着: 離職に伴う採用コストをゼロにできる。
採用ブランディング: 「介護に理解がある会社」は、求職者にとって非常に魅力的な職場に映ります。
組織の生産性向上: 誰かが抜けても回る体制を整えることで、結果的にチーム全体の業務効率が上がります。
「うちはまだ若い社員ばかりだから……」という企業様も、今のうちに制度を整えておくことで、いざという時のリスクヘッジになります。
5. 最後に
「助成金は書類が難しそう」と敬遠される方も多いですが、この介護離職防止支援コースは、しっかりと手順を踏めば非常に活用しやすい制度です。
「何から手をつければいいのかわからない」「自社の就業規則で大丈夫か不安」という方は、ぜひ一度、私にご相談ください。
従業員の安心を守り、会社の未来を強くする。そんな第一歩を、この助成金をきっかけに踏み出してみませんか?







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